過去のオレは嘘を吐いていた。見栄も張っていた、格好良く見せようとしていた。欺瞞に満ちた人間だった。
そのくせ、今よりももっと臆病だった。それも隠した。少なくとも隠そうとはしていた。
そういう自分に気付いていなかった。うまくフィルタリングしていた。
気のある振りをして、思わせぶりなことを言って、嘘の好意を見せて。そうやって、誰かに承認してもらえた気がしていた。人と繋がっている感覚に心地良くしていた。少しでも面倒くさくなれば、また誰かがいる。執着するのはバカらしいことだ。バカらしい。バカらしい。ドライな感覚も作り出したものだった。

ずっとそうやってたら、オレはそこそこ気分よく生きていけたのか。わからない。だけど、現実はずっとは続かなかった。オレは自分が自分をうまく騙していたことに気がついた。それでも、その嘘を続けようとした自分が恐ろしかった。誰にも言わなかった。言ったら自分が自分でなくなるような気がした。実際、自分はなかったはずだから。

気持ちの中がひとりぼっちになった。誰のことも信じていなかった。もちろん嘘吐きの自分のことも。最悪だった。

とにかく、嘘からは遠ざかろうと思った。それからよく歩くようになった。たくさん考えるようになった。なぜ自分が自分を偽ろうとしたのかも、ぼんやりとわかるようにはなった。

長いことそうやって悶々とした日々を過ごしていて、ひとりの人に出会った。その人の前では少なくとも嘘はつかなかったし、見栄も張らなかったし、格好つけようともしなかった。たぶん。素直になった。ひょっとすると、面倒くさいことができるようになって、はじめて素直になれた人だったかもしれない。
ぼくはその人にたくさんのことを教えてもらった。というか与えてもらった。自分がもう一度産まれたような気さえした。ぼくも何かを与えたいと思った。

でも、ずっと言えなかったことがあった。嘘で隠すようなことはしなかったけど、自分の中にある言葉をそのまま口にすることはできなかった。その人とずっと一緒にいたかった。だから言えなかった。結局ぼくは信じられなかったんだ。ぼくは何も与えられなかった。そして、その人と会うことはなくなった。

どんどん泣きそうな気持ちになっていたぼくは、少し解放され、勝手に絶望を背負い込んだ。
でも、ぼくは運が良かった。絶対にぼくを引き上げてくれる人たちがいた。何度も何度も引き上げてくれた。ぼくはバカになった。ぼくはバカみたいに素直な人間になった。ぼくは泣いたり笑ったりした。与えてもらったすべてがなくなってしまうんじゃないかと、すごく不安に思っていたけど大丈夫だった。心から笑うこともできた。

それから、そして、だけど、そして、ぼくはまた、自分を騙そうとしているのかもしれない。消えたいと思っている自分を騙そうとしているのかもしれないし、もう一方の自分を騙しているのかもしれない。

エンドレスリピート

なんてね。ジョーク!

Yasutaka Sato

Neet / Web Designer

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