_9053343姉が。

先日、ぼくの大好きな姉が結婚した。ぼくは泣くのだろうと思い、そのつもりで式に参加した。だけど、泣かなかった。目頭が熱くなることも、鼻の奥がつんと痛むこともなかった。ぼくはずっと前から確信していたのに。崩れ落ちるぼくを。

ぼくはほとんどのシーンをファインダー越しに見ていた。きっとそれがぼくが泣かなかった原因だと思う。いつか書いたように、写真を撮っている時は何も考えなくなって、涙なんか流れない。何が起きているのかもあまりよくわかっていなかったのかもしれない。いろんな人がいろんなことを喋っていたはずなのに、一切と言っていいくらい覚えていない。姉の流した涙の訳をぼくは知らない。ぼくはそれを撮ることに必死だった。プリンがおいしかった。

ぶっ倒れてしまいそうなくらいたくさんの写真を撮ったのに、家に帰ってチェックしてみたら、全然撮れてなかった。もっと撮れるタイミングは山ほどあったはずだと思った。悔しかった。ぼくはあの日一体何をやっていたんだろう。たくさんのブレた写真と筋肉痛が残った。

「おねえちゃん、結婚おめでとう」という言葉すら伝えていないような気がする。

写真がブレていようが、ボケていようが、滲んでいようが、ぼくの姉は美しかった。

Yasutaka Sato

Neet / Web Designer

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