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ぼくは仲間と共にいた。もう正午からこちら四時間ほどだろうか、ぼくの意識は前後に揺れ続けている。

途切れ途切れの音の中に仲間の声を見つけ、ただその音だけを便りに仲間の背中を探す。仲間の黒い背中が見えている間に追いつかないといけない。仲間の声はどんどん小さくなる。

灰色の空が白く開けてきた。ぼくの瞬きの回数はどんどん増えていく。耳にはもう仲間の声は聞こえない。暴力的な風の音とぼく自身のはぁはぁという声しか聞こえない。ぼくの意識はもう後ろへ折れ曲がったままだ。眩しくてもう眼を開けていられない。

真っすぐ進んでいたぼくの視界が突然真っ白になった。ざあざざとラジオのノイズのような音が聞こえる。仲間の声は聞こえない。ぼくの身体はどこかへぬるぬると勝手に進んでいく。身体から力が抜けていく。

音がふっと途切れ、視界が元に戻った。ぼくは山の中で倒れていた。全身がずぶ濡れになっていたが、起き上がることができないくらい脱力していた。頭上で鳥の鳴く声が聞こえた。仲間の声は聞こえない。

君がコーヒーの入ったカップを倒してしまったときの顔なんて、ぼくはもう忘れたよ。ぼくのスニーカーのソールがコーヒーに濡れて、歩くたびに粘り着くような感覚があったことなんて、ぼくはもう忘れたよ。

ぼくは君の美しい顔なんて見ていなかったし、君がぼくに話しかける優しい言葉なんて聞いていなかった。

「ついていけない」って終っちゃうの知ってた。君がそれを言ったのかは知らないけど、ぼくは涙を流したよ。

Yasutaka Sato

Neet / Web Designer

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